「SGIの日」記念提言

「牧口初代会長が重視した人格価値」第39回「SGIの日」記念提言④

投稿日:2014年1月26日 更新日:

牧口初代会長が重視した人格価値

こうした絶望の闇を打ち払うの光明は、「自己目的」ではなく、「何かのため、誰かのためにするときだけ」( 『苦悩する人間』 山田邦雄・松田美佳訳、秋社)輝き始めると強調したのは、第2次世界大戦中に強制収容所に送られた時の壮絶な体験をつづった 『夜と霧』 で知られる、精神医学者のヴィクトール・E・フランクル博士でした。

フランクル博士は、苦難に直面した時の人間精神による応戦劇のを、次のように記しています。

「重要なのは、避けることのできない人生の運命的な打撃をどのような態度で、どのような姿勢で受け止めるかである。したがって人間は、最後の息を引き取るそのときまで、生きる意味をかちとってわがものとすることができる」(以下、V・E・フランクル/F・クロイツァー 『宿命を超えて、自己を超えて』 山田邦男・松田美佳訳、春秋社)

博士はこの人間精神による応戦を「態度価値」と名付けました。それは、「どのような条件、どのような状況のもとでも人生には意味がある」との思いを奮い起こし、苦難と向き合う中で、そのの輝きが苦しみを抱える他の人々を勇気づける光明となり、「自分個人の悲劇を人間の勝利に変える」道をも開くに他なりません。

博士が人生最大の苦難に直面した第2次世界大戦中に、思想統制を強める日本の軍部権力と対峙(たいじ)したために投獄された、私ども創価の牧□常三郎初代会長も、この「態度価値」を貫く人間精神の輝きと相通じる、「人格価値」を育むことに教育の最大の目的があると訴えていました。

そして、自らの教育学説を発刊するにあたって、同じくであった弟子の戸田城聖第2代会長との対話を通し、その名称に価値創造を意味する「創価」を冠したのです。

この 『学体系』 が発刊されてから来年で85周年を迎えますが、牧口初代会長はその中で人格価値を体現した姿の例として、「普段はそれほど注目されなくても、何か起こった時には 『あの人がいてくれれば』 と皆から慕われる人であり、常にで人々の心をつなぐ存在」( 『牧口常三郎全集第5巻』 第三文明社、趣意)を挙げていました。

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