【防災対策】東日本大震災の影響で大規模地震や火山噴火を誘発-社説20120412

各家庭で具体的な防災対策を

 東日本大震災以降、人々の防災意識は格段に高まっている。この1年、各地では防災・避難訓練などが積極的に行われてきた。量販店やネット通販でも多くの防災用品がそろっており、日常的に「防災」に取り組む環境が整っている。

 その上で、実際に一人一人が対策を講じているかどうかがポイントだ。最近の調査では、震災後、地震対策を「特に新たに行ったことはない」人が35・8%に上った地域もある。防災に対する意識が高まっていても、行動に結び付いていないのが実情ではないだろうか。

 政府の防災対策推進検討会議の中間報告でも確認されたが、今後30年間で地震が発生する確率は、南海トラフ(駿河湾から九州沖に達するプレート境界)の巨大地震で60~80%、首都直下地震は70%。また、東日本大震災によって日本列島は大きく変化しており、他の大規模地震や火山噴火を誘発する恐れもあるという。新たな震災の脅威は迫っている。気を引き締めて大地震や災害への備えを万全にしたい。

 身近なところでいえば、「家族防災会議」を開いておくことが望まれる。防災会議そのものが家族の防災意識を高め、わが子への防災教育にもなる。①自宅の耐震化、家具の転倒防止対策②震災時にどの避難場所で再会するか③非常用品の置き場所――などを確認しておきたい。

 本紙3月12日付「暮らしのアンテナ」はテーマが「防災」。ここでは家族で話し合った独自の防災マニュアルの用意を呼び掛けている。

 また、非常時の持ち出し品として、1次避難(災害発生時)、2次避難(一時的な暮らし)、3次避難(長期の被災生活)の3段階を想定した準備が推奨され、必要な物品も最近は100円ショップでおおよその物が調達できるという。

 こうした防災の話を近隣や友人と共有し、情報交換することも大切だ。対話を通してさまざまな知恵が出てくれば、防災への取り組みも一段と充実する。

 日蓮大聖人は門下の四条金吾に対して「かまへて・かまへて御用心候べし」(御書1133ページ)等々、繰り返し細心の注意を呼び掛けておられる。

 信心しているからこそ、最大限に知恵を発揮し、いざという時のために率先して行動していきたい。まずは、わが家庭で具体的な防災対策ができているか――今一度、互いに確認しよう。

2012年4月12日