ゴールデンボンバーが〝面白い〟わけ

「女々しくて」のヒットをはじめ、
「ビジュアル系エアーバンド」として活躍する「ゴールデンボンバー」(通称「金爆」)。

つらい人生体験や、今の気持ちを赤裸々に歌う彼らの曲に、今、多くの若者が共感している。

彼らのキャッチコピーは、「笑撃のライブパフォーマンスと、奇才・鬼龍院翔の創り出すクオリティーの高い楽曲で注目の究極のエアーバンド」。

金爆は「エアーバンド」という形式をとっているため、基本的にメンバーは演奏せず、ライブでは演劇や個性的な振りなど、さまざまなパフォーマンスを行っている。

一見すると、ばかばかしいまでの彼らの真剣なパフォーマンスだが、その「笑い」に徹する姿が、多くのファンを引きつけてやまない。

彼らのライブは、常に笑いにあふれ、見る人を元気にする。そして、その「笑い」こそが、多くの人が抱えている「葛藤」や「悩み」を吹き飛ばし、前向きな気持ちを奮い立たせる原動力になっているようだ。

かつてドイツの哲学者イマヌエル・カントは、「笑いは緊張の緩和から来る」という有名な言葉を残している。人が心の底から笑える時というのは、心から安心し、緊張状態から解き放たれた時である。

日本は今、社会全体が失敗を許さないような雰囲気に覆われている。そうした状態では、常に緊張感がつきまとい、笑いも減る。緊張状態が続く人間関係は必然的にギスギスしてくる。たとえ笑うことができたとしても、「愛想笑い」「作り笑い」になってしまうだろう。

では、どうすれば、生活の中に笑いやユーモアを取り入れていけるのか。

『希望のつくり方』(岩波新書)著者の玄田有史氏は、著書の中で、ユーモアとは、人を笑わせるのが得意な人のものだけではないと指摘する。

その上で、「他者の痛みに対する共感と想像力を持ち、いっけん無駄にみえるものでもすぐに切り捨てたりせず、自分の過去の失敗なども潔く語れるところに、ユーモアは生まれます」と語っている。

ありのままの自分をさらけ出し、自分の苦しみだけでなく、友の悩みにも耳を傾ける。

それはまさに創価学会員の日々の光景でもある。

とりわけ、学会の会合は、他者を理解しようとする尊敬の気持ちが強く表れ、悩みや喜びを率直に語りあえる場になっている。
だからこそ聖教新聞に掲載される会合の写真も「笑顔」が多い。

自他共の幸福を願い、共に進もうとする時、人は決して自分一人ではないという「安心」を感じ、心からの笑顔が広がる。そうした場所が現代において、どれくらいあるだろうか。

あらためて、池田名誉会長の、「学会は、どこよりも温かな人間性に満ちた『生命の安全地帯』である」との言葉を嚙みしめたい。

http://www.sokayouth.jp/youth_column/articles/32.html