〈今、気を付けたい この症状〉 ノロウイルス
ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、毎年、冬季を中心に流行します。今回は、ノロウイルスの対策についてまとめました。
[colored_box color=”gray” corner=”r”]2月までが多発する時期[/colored_box]
毎年、ノロウイルスによる感染性胃腸炎は多数発生していますが、その約7割が11月から2月に集中しています。
今季も感染する人が増えています。まずは予防に努めましょう。予防のポイントとして、次の3点が挙げられます。
①「手洗い」をしっかりと
特に「食事前」「トイレの後」「調理の前後」のタイミングが大切です。せっけんでよく洗い、流水で十分に流しましょう。
②「人からの感染」を防ぐ
家庭内でノロウイルス感染が発生した場合、感染した人からの2次感染に気を付けてください。2次感染の予防については、後述します。
③「食品からの感染」を防ぐ
・加熱して食べる食材は、中心部までしっかりと加熱する
・調理器具や調理台は消毒して、いつも清潔にする
まな板、包丁、食器、ふきんなどは、使用後すぐに洗いましょう。85度以上のお湯で1分以上加熱すると効果的です。
[colored_box color=”gray” corner=”r”]人からの2次感染を防ぐ[/colored_box]
感染者が出た場合、2次感染を予防するため、以下のことを参考にしてください。
●感染者の嘔吐物やふん便の処理
使い捨てのエプロン、マスク、手袋を着用し、ペーパータオル等で静かに拭き取ります。さらに「0・1%消毒液」(次亜塩素酸ナトリウム溶液、作り方はイラスト参照)で浸すように床を拭き、その後、水拭きをします。
おむつ等は速やかに閉じて、ふん便等を包み込みます。おむつや拭き取りに使用したペーパータオルなどは、ビニール袋に密閉して廃棄してください。
ノロウイルスは乾燥すると簡単に空気中を漂い、口に入って感染することがあります。嘔吐物やふん便は速やかに、確実に処理することが重要です。
●嘔吐物やふん便が、衣類や布団に付着した場合
まず付着した汚物中のウイルスが飛び散らないよう、前述の内容を参考に処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。その際、しぶきを吸い込まないよう注意します。
熱水洗濯が行える洗濯機があれば、消毒のため、85度で1分間以上の熱水洗濯をしてください。
熱水洗濯ができない場合は、「0・1%消毒液」で消毒します。その際、十分にすすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果が高まります。
●感染者が使用した食器類の消毒
食器等は、すぐに0・1%消毒液に十分浸し、消毒します。また、嘔吐後にうがいをした場所なども0・02%消毒液(作り方はイラスト参照)で消毒後、洗剤を使って掃除しましょう。
●その他
ノロウイルスは感染力が強く、感染者が触れたドアノブ、カーテン、布団、日用品などに付着する可能性があります。
感染者が発生し、それらの消毒が必要と感じた場合は、0・02%消毒液を使用してください。
ただし次亜塩素酸ナトリウムには、体への危険(塩素ガスが発生する)や金属の腐食を進ませる性質があります。使用時は十分な換気を行う、十分に薄める、使用後は拭き取るなど、注意して使いましょう。
予防のために
①「手洗い」をしっかりと
②「人からの感染」を防ぐ
③「食品からの感染」を防ぐ
[colored_box color=”gray” corner=”r”]高齢者と子どもは特に注意[/colored_box]
ノロウイルスは、感染から24~48時間後に発症するといわれています。主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、37度台の発熱などです。
通常、これらの症状が1、2日ほど続いた後、自然に治癒し、後遺症もありません。感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状で終わることもあります。
ただし高齢者や子どもでは、重症化したり、嘔吐物が喉に詰まったりして生命に危険が及ぶこともあるので、特に注意が必要です。
感染が疑われた時は、かかりつけの医師や最寄りの保健所等に相談してください。(厚生労働省・内閣広報室ホームページなどを参照しました)
消毒液の作り方
【0.1%消毒液】
①500ミリリットルのペットボトルに、水を半分くらい入れておく
②塩素系漂白剤(濃度5%の場合)10ミリリットルを加える
③水を加えて、全体を500ミリリットルにする
④ふたをして、よく振って混ぜる
【0.02%消毒液】
①2リットルのペットボトルに水を半分くらい入れておく
②塩素系漂白剤(濃度5%の場合)10ミリリットルを加える
③水を加えて、全体を2リットルにする
④ふたをして、よく振って混ぜる
【消毒液を使用する時の注意点】
・使用の際は、換気を十分に行う
・ビニール手袋などを使用する
・皮膚に付着した場合は、直ちに大量の水で十分に洗い流す
・目に入った場合は、直ちに大量の水で十分に洗い流し、医師の診察を受ける
・濃度が高いと、金属がさびたり、漂白(変色)したりする可能性があるので注意する
・金属に使用した場合は、消毒後、水で洗い流すか、拭き取る
【聖教新聞2013年 12月20日掲載】