激闘

一生成仏をめざして仏道修行していくこと激闘34 小説「新・人間革命」27巻

投稿日:2014年4月30日 更新日:

山本伸一の指導は、具体的であった。

 研修会メンバーは、わが身にあてはめ、時に大きく頷き、時に苦笑しながら、伸一の話に耳を傾けていた。

 「怒りの心は、それ自体が悪いというのではありません。悪事に対して怒りを感じることは必要です。邪悪への怒りがなくなれば、正義もなくなってしまいます。怒り、腹を立てた結果、信心を後退させてしまうことが問題なんです。

 たとえば、いい加減で、周囲に迷惑をかけてばかりいる、問題の多い先輩幹部がいたとします。その姿を見て憤りを感じる。それは当然です。しかし、ともすると、〝だから、私は学会活動をやらない。会合にも出ない〟ということになってしまう。それが、『瞋恚』という魔に敗れた姿なんです。

 自分が、人間革命を、一生成仏をめざして仏道修行していくことと、先輩幹部がだらしないこととは、本来、別の問題です。それを一緒にして、自分の信心の後退を正当化しようとする心こそ、克服すべき対象なんです」

 現実に即した伸一の展開であった。

 「第九の『』ですが、『利養』は、利を貪ることです。『』は、虚名にとらわれることをいいます。つまり、名聞名利を追い求め、信心を軽んじ、成仏への道を踏み外してしまう生き方です。

 利欲に翻弄されればされるほど、心は貧しくなり、すさんでいきます。また、組織で金銭の問題を起こしたりするケースは、この『利養』に蝕まれた結果といえます。

 さらに、『虚称』を求めても、名誉や地位は、永遠の生命観から見れば、うたかたの夢のようなものです。それに心を奪われて、信心を忘れるのは愚かです。

 学会の人事でも、正役職から副役職になった時など、自分が軽視されたように思い込んで、新しく幹部に登用された人を嫉妬し、学会活動への意欲をなくしてしまう人がいます。それは『虚称』の心によるものです。その心を打ち破っていく戦いが信心なんです」

-激闘
-, , , , , ,

執筆者:

関連記事

no image

練馬文化会館の開館記念勤行会 激闘10小説「新・人間革命」27巻

 人と会い、誠意をもって対話していくなかで理解が生まれ、やがて、信頼と共感が芽生えていく。ゆえに、広宣流布のためには、粘り強い交流と語らいが大切になるのである。  しかし、一部のマスコミ関係者が、政治 …

no image

“ひたすら諸君の成長を祈り、待っている”激闘4 小説「新・人間革命」27巻

 山本伸一は、グラウンドを回りながら、各方面の音楽隊長と握手を交わし、中等部の隊員を見つけると、歩み寄っては、両手を広げて、抱え込みながら語りかけた。  「すばらしい演技でした。勉強もしっかり頑張って …

no image

『苦難を避けるな。苦労しなさい。うんと悩みなさい』激闘6 小説「新・人間革命」27巻

 山本伸一が、「教育」を「教」と「育」に分け、特に「育てる」ことに力を注ごうと考えた背景には、彼の独自の教育観があった。  彼が知る限り、日本の教育は、知識、技術を教えることに力点が置かれていると言わ …

no image

「生涯、信行学の実践を」激闘3 小説「新・人間革命」27巻

 山本伸一が、創価大学の体育館で行われた表彰式典で強く訴えたことは、「生涯、信行学の実践を」ということであった。  日蓮大聖人の仏法は、「本因妙」の仏法である。それは、私たちの生き方に当てはめていうな …

no image

「病によりて道心はをこり候なり」激闘8小説「新・人間革命」27巻

苦闘は、精神を鍛え、人間力を培う父である。苦闘は、歓喜を生み出す母である。  山本伸一は、記者たちに語った。  「私は、青年たちに、苦闘を厭わぬ信念と哲学をもってほしいんです。苦労するのは辛いことです …