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信心の王者こそ、人間王者。激闘35 小説「新・人間革命」27巻

投稿日:2014年5月1日 更新日:

に関する山本伸一の講義は、いよいよ、第十の「自高蔑人」となった。

 「これは、自ら驕り高ぶり、人を卑しむことです。つまり、慢心です。慢心になると、誰の言うことも聞かず、の組織にしっかりついて、謙虚に仏法を学ぶことができなくなる。また、周囲も次第に敬遠し、誤りを指摘してくれる人もいなくなってしまう。

 社会的に高い地位を得た人ほど、この魔にたぶらかされてしまいがちなんです。

 『自高蔑人』の心をもつと、みんなが褒め讃えてくれれば、学会活動にも参加するが、機嫌を取ってくれる人がいないと、仏道修行を怠ってしまう。したがって、宿命転換も、革命もできず、福運も尽きていきます。そして、結局は、誰からも相手にされなくなってしまう。最後は惨めです。

 信心の世界、仏道修行の世界は、一流企業の社長であろうが、高級官僚であろうが、大学教授であろうが、あるいは、学会の最高幹部であろうが、皆、平等なんです。地位も、も、関係ありません。

 信心の実証を示すために、社会でを収めていくことは大事です。しかし、それが、名聞名利のためであれば、信心のうえでは、なんの意味もありません。地位や名誉は、絶対的の条件でもなければ、成仏を決するものでもありません。

 信心の世界では、一生懸命にお題目を唱え、たくさんの人をし、誰よりも個人指導に励み、多くの人材を育ててきた方が偉いんです。広宣流布のため、仏子のために、黙々と汗を流してきた方が尊いんです。

 信心の王者こそ、王者なんです。最高最大に御本仏から賞讃される大福運、大の人であることを確信してください」

 熱のこもった講義であった。一人として魔に敗れ、退転していく人など出すまいとする、伸一の魂の叫びであった。

 研修は、まだ終わらなかった。

 「では、『富木殿御返事』、の九六二ページを開いてください」

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