第10巻
収録章
「一念」「脈動」「跳躍」「嶮路」「展望」
あらすじ
昭和31年初頭、伸一は一人、深い決意を秘めて大阪に向かう。学会は7月の参院選に推薦候補6人を決定し、大阪地方区は春木征一郎が立つことになった。大阪の学会世帯数は少なく、常識的には敗北必至の情勢であった。戸田は、その最高責任者として、伸一を派遣したのである。「なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ給うべし」——伸一には、「信心で勝つ」との強い一念があった。強盛な祈りと最高の作戦・行動に徹した彼の激闘は、関西に「不可能を可能にする」勢いを生む。
そして5月には折伏11,111世帯の不滅の金字塔を打ち立て、参院選でも奇跡的な当選を実現させた。これが“常勝関西”の源流となる。
一方、学会全体では推薦6人中3人が当選。世間の注目を集めただけでなく、権力の圧迫の影もちらつき始める。「いやまして険しき山にかかりけり……」と詠(よ)んだ戸田は、伸一と壮大な広布の展望を語り合う。