強く明るく 喜びの調べ!【大白蓮華巻頭言】2014年10月号
2014.10.01投稿
大白蓮華 2014年(平成26年)10月号(No.779)
巻頭言
強く明るく 喜びの調べ!
創価学会名誉会長 池田大作
「何かあっても負けない青春、負けない一生を!」
これは、わが創価の女性たちの合言葉である。
簡潔でありながら、なんと奥深い哲学が秘められ、
なんと誇り高い信念が込められていることか。
「御義口伝」には、「自身の内なる妙法を悟って、自身の宮殿に入るのである。南無妙法蓮華経と唱えていくことは、自身の宮殿に入っていくのである」(787ページ、趣意)と仰せである。
幸福の宮殿とは、どこか遠くにあるのではない。
わが生命の中にある。わが生命が宮殿なのである。
いかに苦しくても、いかに大変であっても、題目を唱えゆくならば、妙法と一体となり、前へ進む力が漲(みなぎ)ってくる。生き抜く勇気が込み上げてくるのだ。
法華経には、「三界は安きこと無し 猶(な)お火宅の如べし 衆苦(しゅく)は充満して 甚(はなは)だ怖畏(ふい)す可(べ)し」(妙法蓮華経並開結191ページ)と説かれる。
とりわけ末法に入り、天変地異が重なる世には、心の広い人も狭くなり、道を求める心を持つ人さえも邪見(がけん)になってしまうと、御書には喝破(かっぱ)されている。
そうした時代の真っ只中で、あの友の心にも、この友の心にも、何ものにも壊(こわ)されない希望の宮殿を開いてきたのが、創価の草の根の対話といってよい。
その力は、祈りと真心から発する「励まし」の声だ。
人を傷つけ、誰かし、引き裂(さ)く残忍(ざんにん)な言葉が渦巻く社会にあって、それは、あまりに温かく、正しく、溢(あふ)れる善意で人々を結び合わせる挑戦でもある。
いつの世も
共に励まし
守り合い
勝利の旅路を
明るく開かむ
日蓮大聖人は、「喜とは自他共に喜ぶ事なり」「自他共(じたとも)に智慧(ちえ)と慈悲(じひ)と有るを喜(き)とは云うなり」(761ページ)と教えてくださった。
その通り、わが宝友たちは、日本中、世界中で、強く明るく喜びの調べを奏(かな)で、智慧と慈悲のスクラムを広げてくれているのだ。
「一切世間に怨多(あだおお)くして信じ難(がた)し」と言われる如く、誠心誠意、訴えた正法の哲理が、閉ざされた心、頑(かたく)なな心から反発されることも、多々ある。
しかし、折伏の大師匠・戸田城聖先生は語られた。
「法を弘めようと悩む。人々を幸福にしようと悩む。広宣流布のために悩む。これほど素晴らしい仏の悩みはないではないか」と。
悩んだ分だけ、煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)で、仏の境涯が深まり、大福運が積まれるのだ。
山形広布の母は、夜なべの内職で生活苦に挑みながら、夫と共に広大な天地を広布へ走った。2人のお子さんとの死別の悲哀(ひあい)も乗り越え、打ち続く災害にも皆を励まし、90歳となる今も毅然(きぜん)と戦う。
「三世の幸福を贈る折伏は、どんな富豪や権力者もできません。辛い時こそ、友に『私がいるよ、学会員がいるよ』と叫びたい。皆、命の底で妙法を求めていると思えば、励ましの心が湧いてきます」と。
文豪ビクトル・ユゴーは、「人に与える喜びには、反射のように弱まってもどるどころか、輝きを増してはねかえってくるという性質がある」と綴った。
我らは、共々に生命の大歓喜の輝きをいや増し、何かあっても負けない「人材の城」を築きゆこう!