本紙創刊68周年を記念 無冠の友へのメッセージ 池田大作 2019年5月28日 人間革命の大叙事詩を綴れ 希望は「勇気の一歩」から
2019.05.28投稿
本紙創刊68周年を記念 無冠の友へのメッセージ 池田大作 2019年5月28日
人間革命の大叙事詩を綴れ
希望は「勇気の一歩」から
来る日、来る朝、読者のもとへ“幸の便り”を届ける「無冠の友」。その尊い一歩一歩が、地域に希望の薫風を広げゆく。ここでは、本紙配達員の機関紙「無冠」の創刊記念日特集に掲載された、池田先生のメッセージを紹介する。
さあ朗らかに、今日も前へ! 今日も、かけがえのない友のもとへ!
いかなる試練があろうとも、祈り切り、歩み続ける中でこそ、新しき「人間革命」の大叙事詩は綴られる。
その先頭走者こそ、わが尊き配達員の皆さまです。
聖教新聞の創刊68周年を祝し、大切な大切な全国の「無冠の友」に、私は心からの感謝と敬意と賞讃を捧げます。日々の気高い配達、本当に本当にありがとうございます!
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私と妻が出会いを重ねた、敬愛するアメリカ公民権運動の母、ローザ・パークスさんは、友に呼び掛けています。
「未来の世界がどうなるかは、私たちが今どのように生きるかにかかっています」。そして、世界をより良くするために、「やるべきことは、まだまだたくさんあります」と。(高橋朋子訳『ローザ・パークスの青春対話』潮出版社)
未来は今ここから始まる。勇気の一歩から希望が生まれる。
さながら太陽の運行のごとく、たゆまず誠実に積み重ねられる「無冠」の一歩また一歩から、我らの地域を、さらに未来の世界を、より良くする回転が広がっていることを、私は確信してやみません。
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今年の年頭に創刊2万号を迎えた聖教新聞は、2万5千号、さらに3万号へと旅立ちました。それは世界宗教として飛翔する創価学会の誉れの大長征を刻む日記文書であります。
わが師・戸田城聖先生が第2代会長に就任した後、創刊まもない聖教新聞の編集室は東京・新宿区の市ケ谷ビルに置かれました。同じビルの中には、先生が全身全霊で友に励ましを送られた学会本部の分室が設けられていました。その信心への大確信、平和への大情熱が、聖教を通してそのまま日本中に脈動していったのです。
先生の不二の分身として、私も創刊号から筆を執り続けてきました。執筆を通して宝友たち一人一人と対話し、命を通わせていきたいとの願いは、今もいささかも変わりません。
「無冠の友」の真心で一軒一軒に配られた聖教新聞は、一人一人の心田に幸福の種を蒔き、勝利の花を咲かせていきます。人間主義の仏法を現代に蘇らせ、民衆に智慧の光を送ります。
思えば日蓮大聖人は、留難の佐渡から門下に手紙を送られ、「此文を心ざしあらん人人は寄合て御覧じ料簡候て心なぐさませ給へ」(御書961ページ)と仰せです。大難の中、師匠からのお手紙を拝して、心と心を一つに、同志は励まし合って、いかなる障魔にも負けない異体同心の団結を築き上げていったのです。
当時も、御本仏の御心を一人一人に伝え届ける方々がいました。今、その聖業を担う福運は計り知れません。先日も、大聖人御聖誕の千葉県の花見川区では、聖教新聞の1万号をお母さんが、そして2万号を娘さんが配達されたという、感動の無冠のリレー体験を合掌して伺いました。
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言葉は、一人から万人へ広がり、世界の希望と輝きます。聖教新聞と各国の機関紙誌は、「広布」即「平和」の拡大の原動力となってきました。
かつて、北欧ノルウェーの婦人部のリーダーの方は、夫が当初、信心に反対で、子どもの入会も認めませんでした。
転機は“セイキョウ”でした。夫の転勤先のタイの地で、その方は英語版機関誌「セイキョウ・タイムズ」を糧に信心に励みました。すると、ある日、突然、夫が「僕も信心をやるよ」と言うではありませんか。実は、机上にあった“セイキョウ”を読んで、夫は仏法への理解を深めていたのです。
やがて、長女も成長して女子部のリーダー、さらに今では、北欧広布の指導者として指揮を執り、ご一家は美しい大輪の福徳の花を薫らせています。
ノルウェーといえば、戸田先生のもとで劇作家イプセンの名作『人形の家』を学んだことを思い出します。社会の実相を鋭く見つめた彼は「人間精神の革命」を志向していました。
イプセンは晩年、故郷の人々に、こうあいさつします。
「私は最後までペンを執りますし、それを手放すつもりはありません」。そして、「共感する人」とともに「反対する人」にも取り巻かれているからこそ、「統一のとれた考えが、より高い目標、より大きな宿題へと前進することができるのです。これが私の希望と、そして信念です」。こう高らかに宣言したのです。(原千代海編訳『イプセンの手紙』未来社)
我らもまた、自他共の幸福のため、大理想へ邁進したい。
勇気ある言葉を武器に! 真実の言論を光と放ち! 励ましの詩を翼にして!
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世界広布の言論城・世界聖教会館は、今秋の完成に向け、建設が順調に進んでいます。聖教新聞に掲載される「輝く無冠の友」の記念撮影を、毎回、妻と最敬礼して拝見しつつ、尊き皆さまに健康あれ、幸福あれ、無事安穏であれと祈る毎日です。
この3月、世界聖教会館の定礎式では、世界各地の石などとともに配達員名簿のCD(コンパクトディスク)が定礎箱に納められ、埋納されました。皆さま一人一人の芳名は、広布史に永遠です。
いよいよ春。花も咲き、人も咲く。未来が咲く。万物が躍動する季節です。
「無冠の友」の皆さまとご一家が、福徳の花を万朶と咲き薫らせていかれることを祈念してやみません。
春風に乗って、いよいよ希望の大前進を!
私とともに!