正義

正義15 小説「新・人間革命」27巻

投稿日:2014年1月20日 更新日:

笠原慈行は、「」を唱え、を告訴した。
それによっては、果敢に折伏を行っていた学会に目を付け、弾圧を開始するにいたり、牧口常三郎はすることになるのだ。
戸田城聖は、笠原が総本山にいたことを聞くと、直ちに笠原と会って、「神本仏迹論」の誤りを強く正した。
しかし、笠原は、認めようとはしなかった。
学会の青年たちは、笠原のな態度にあきれ返り、獄死した牧口の墓前に彼を連れていった。墓前に行けば、自ら非を認めるだろうと考えたからである。
墓前で青年たちに問われた笠原は、遂に、「神本仏迹論」は妄説であるとし、謝罪状を書いた。
その夜、学会は、宗門の役僧から、笠原が四月五日をもってしていることを告げられたのである。
役僧の話では、笠原は改悛し、宗門の僧侶として死にたいとの懇請があったために、老齢であることも考慮し、宗旨建立七百年にあたり、特赦復級させたというのだ。
笠原は、戸田と会った時、「神本仏迹論」の誤りを、全く認めようとはしなかった。その彼が「改悛」しているなど、あり得ないことであった。
戸田は、出獄以来、笠原の動向に心を配ってきた。
戸田の耳に、笠原が宗門に籍を置いているといった話が、しばしば入ってくるようになった。それが本当ならば、断じて看過できぬ由々しき問題である。
戸田は、彼の式が行われた一九五一年(昭和二十六年)五月三日、笠原が宗門に籍を置いているとの話は、かどうかを、宗門の役僧に確認している。
すると、「現在、宗門には、かかる僧侶は絶対におりません。笠原は宗門を追放されております」との返事であった。
その後、学会には、なんの話もないまま、宗門は、笠原を僧籍復帰させていたのだ。
僧同士の馴れ合いである。馴れ合いの怖さは、精神を歪めてしまうことにある

-正義
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