正義

正義16 小説「新・人間革命」27巻

投稿日:2014年1月21日 更新日:

笠原慈行は、学会が彼の誤りを正したことを、暴行や傷害事件に仕立て上げて喧伝し、パンフレットまで配布したのだ。
宗門では、臨時宗会を開いて、笠原に謝罪させたことを取り上げ、信徒が、大法会の最中に「僧侶」を糾弾した「」として、処分の検討に入ったのである。
そして、笠原に対する決議は、教義に背反した「神本仏迹論」の異説を放棄したとは認められないとし、「宗制宗規に照し適切な処置を望む」と述べるにとどまった。
一方、戸田に対しては、「開山以来、未曾有の不祥事」を起こしたとして、「謝罪文の提出」「大講頭罷免」「登山停止」を求める、極めて厳しい決議をしたのである。
日蓮大聖人は、御書の随所で、「慈無くして詐り親しむは即ち是れ彼が怨なり」(一三九p)との仏典の一節を引いて、悪と戦うことの大切さを訴えられている。
戸田は、宗会の決議を知り、宗門の僧たちから、その精神は消え失せてしまっていることを痛感せざるを得なかった。
彼らに、正法正義を断じて守り抜こうとの心があれば、青年たちが笠原に、「神本仏迹論」の誤りを認めさせたことを大賞讃しよう。
宗会は、正法破壊の悪侶を正すことより、滞りなく儀式を挙行することを重要視していたのだ。
戸田は、大聖人の教えに違背した大謗法を責め抜こうとせぬ宗門の惰弱さが情けなく、無念でならなかった。
「破邪」なくして「顕正」はない。いや、「破邪」なきは、結果的に「邪悪」への加担となり、同罪となることを知らねばなるまい。
この宗会決議に対して、山本伸一をはじめ、学会の青年部は、各地の宗会議員と面談し、
礼を尽くして、理路整然と、その理不尽さを語り、抗議した。そして、宗会議員の過半数が、決議の撤回に賛意を表していった。
当時の日昇法主も、宗会決議を受け入れることなく、儀式を騒がせたことに反省を求めつつも、戸田の護法への功績を評価した裁定となったのである。

-正義
-, , , , , , , , ,

執筆者:

関連記事

no image

正義59 小説「新・人間革命」27巻

三重研修道場周辺の地域に住む人たちの多くが、波多光子と露崎アキの弘教である。 三沢光也の父も、波多の勧めで入会したという。肝臓と胆嚢を病み、「もう長くはない」と周囲の人たちが噂し合っているなかで、信心 …

no image

正義36 小説「新・人間革命」27巻

妙楽大師の言葉に、「礼楽前きに馳せて真道後に啓らく」(御書一八七p)とある。 「礼楽」とは、「礼儀」と「音楽」のことで、中国の伝統的な生活規範である。 「礼」は、行いを戒め、社会の秩序を生み出し、「楽 …

no image

正義63 小説「新・人間革命」27巻

山本伸一を囲んでの「座談会」は、一時間ほどに及んだ。 彼は、三沢光也・カツ子夫妻に見送られ、三沢宅をあとにした。 伸一は、この日の夜は、津市にある三重文化会館で、県の代表との懇談会に続いて、三重支部結 …

no image

正義28 小説「新・人間革命」27巻

学会を誹謗する僧の大半は若手であり、世間の常識に疎く、態度が横柄な者も少なくなかった。 それでも学会員は、彼らを守り、寺のために尽力してきた。 彼らが、学会への憎悪を募らせ、理不尽な誹謗をエスカレート …

no image

正義38 小説「新・人間革命」27巻

四月十六日午後、山本伸一は、埼玉訪問を終えて東京に戻ると、すぐに聖教新聞社で執務を始めた。 すると、会館管理者のグループである「礎会」の関西・北陸婦人部のメンバーが、研修で学会本部に来ているとの報告が …