正義

正義31 小説「新・人間革命」27巻

投稿日:2014年2月7日 更新日:

山本伸一は、固く心に決めていた。
「尊き仏子が、悪侶から不当な仕打ちを受け、苦しむような事態だけは、いっときも早く収拾させなければならない。
広宣流布にかかわる根本問題については、一歩たりとも引くわけにはいかぬが、会員を守れるなら、それ以外のことは、なんでもしよう。
ともかく、大切なのは、わが同志だ。
私が盾となる。矢面に立つ。何があろうが、会員は私が守り抜く!」
娑婆世界とは忍耐の世界である。正義への確信ゆえに、彼は何ものをも恐れなかった。
一九七七年(昭和五十二年)十二月四日、伸一は、宮崎県日向市にある日向本山定善寺の本堂新築落慶入仏式に参列した。
この宮崎訪問で日達法主と胸襟を開いて話し合いを重ね、学会の外護の赤誠を知ってもらい、学会に反感をいだく僧たちの、会員への非道な仕打ちに、ピリオドを打ちたかったのである。
伸一は、前日も、宮崎市内で日達法主と、僧俗和合のために忌憚ない対話を交わした。
そして迎えた定善寺の本堂新築落慶入仏式で、あいさつに立った伸一は、日達法主をはじめ僧侶たちに、今後も学会は、誠心誠意、宗門を厳護していく精神は不動であることを強く訴えた。
宗門との間に、枝葉末節の問題で意見の食い違いがあったにせよ、広宣流布のために不惜身命で突き進む学会の情熱と宗門外護の心には、いささかも変わりがないことを、わかってほしかったのである。
彼は、各寺院の儀式にも、さらに力を注ぐことを述べ、謝意を表し、最大の誠を尽くして、あいさつを終えた。
伸一が一切の行事を終え、宿舎のホテルに戻ると、連絡があった。
日達法主が、伸一に歌を詠んだとのことであった。
「我宿の 松原越の 日向灘  波静にと 祈りつ眺む」
伸一もまた、直ちに日達への尊敬と感謝を込めた句を作り、届けてもらったのである。

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