正義

正義34 小説「新・人間革命」27巻

投稿日:2014年2月11日 更新日:

山本伸一は、僧たちの学会への執拗な誹謗・中傷に、を破壊することになりかねない魔の蠢動を感じた。
彼は、「今こそ会員一人ひとりの胸中に、確固たる信心と、に生き抜くの師弟の精神を打ち立てねばならない」と強く思った。
また、「自分が直接、各地の僧と会い、誠意をもって、率直に対話し、学会について正しい認識、理解を促していこう」と決意したのである。
この一九七八年(昭和五十三年)の春から、全国各地で「」が企画されていた。
四月十五日、伸一は、埼玉県・大宮の小熊公園で行われた埼玉文化合唱祭に出席した。
これには、県内にある宗門の寺院から僧侶を招待していた。
桜花に蝶が舞い、小鳥がさえずる、春うららかな日であった。
郷・埼玉に」をテーマに掲げた文化合唱祭は、人びとの幸福と社会ののために、喜々としてに励む同志の、晴れやかな希望の出発を飾る舞台となった。
新女子部歌の「青春桜」をはじめ、「森ケ崎海岸」「母」「厚田村」など「歓喜の歌声」が、春風とともに樹間に響き渡った。
伸一は、この日のあいさつで、広宣流布と文化について語ろうと思っていた。
本来、文化・芸術と宗教とは、切り離すことのできない、不可分の関係にある。
文化・芸術は、宗教という土壌の上に開花してきた。宗教によって人間の生命の大地が耕されてこそ、文化・芸術の大輪が咲く。
英国の詩人で批評家のT・S・エリオットは、「広く一般に受け容れられている誤りは、文化というものが宗教なくして保存され、伸張され、発展せられることが可能であるという考えであります」(注1)と論じている。
また、フランスの女性哲学者シモーヌ・べーユは、「すべて第一級の芸術は本質からして宗教的なものである」(注2)との箴言を残している。

-正義
-, , , , ,

執筆者:

関連記事

no image

正義31 小説「新・人間革命」27巻

山本伸一は、固く心に決めていた。 「尊き仏子が、悪侶から不当な仕打ちを受け、苦しむような事態だけは、いっときも早く収拾させなければならない。 広宣流布にかかわる根本問題については、一歩たりとも引くわけ …

no image

正義56 小説「新・人間革命」27巻

入会した波多光子に、露崎アキは、勤行とともに弘教に励むことの大切さを力説した。 「日蓮大聖人の仏法は、自行化他にわたる信心や。自分も、周りも、共に幸せにならんと、本当の幸せはないやろ。 たとえば、周り …

no image

正義51 小説「新・人間革命」27巻

「三重文化合唱祭」の舞台は、婦人部の合唱「今日も元気で」となった。婦人部員の満面の笑みが開花し、あの限りなく明るく、軽やかな調べが流れた。 三重の婦人部員にとって、それは“喜びの歌”であり、“勝利の歌 …

no image

正義13 小説「新・人間革命」27巻

軍部政府によって会長の牧口常三郎らが逮捕されるや、周章狼狽した宗門は、牧口一門の総本山への登山を禁ずるなど、学会との関わりを断とうとしたのだ。 日蓮大聖人の仏法の清流は、正法正義を貫いた牧口と戸田城聖 …

no image

正義38 小説「新・人間革命」27巻

四月十六日午後、山本伸一は、埼玉訪問を終えて東京に戻ると、すぐに聖教新聞社で執務を始めた。 すると、会館管理者のグループである「礎会」の関西・北陸婦人部のメンバーが、研修で学会本部に来ているとの報告が …