正義

正義39 小説「新・人間革命」27巻

投稿日:2014年2月17日 更新日:

山本伸一は、四月十九日に総本山大石寺を訪れ、と会談した。そして、翌二十日には、静岡県伊東市に誕生した伊東平和会館をしたのである。
平和会館では、開館記念の会が、昼と夜の二回にわたって行われることになっていた。伸一は、この日、夜の勤行会に出席するため、午後三時半過ぎに平和会館を訪れた。
陽光を浴びた緑が、すがすがしかった。
伸一が到着した時、ちょうど昼の部の勤行会が終了するところであった。
ここでも彼は、なんとかして皆を励ましたいと思い、共に記念撮影することを提案した。
予期せぬ朗報に、皆、大であった。
伸一は、勤行会の会場となった広間で、全参加者と五回に分かれてカメラに納まった。
その間にも、皆に声をかけ続けた。
「おに! 幸せになるんですよ。そのための信心なんですから」「必ず人生の勝利者になってください」「『如蓮華在水』です。濁った、世知辛い現実にあっても、自分らしく、を築いていけるのが信心なんです」
一度の励ましが、勇気の源となり、苦難克服の転機となることもある。
この一瞬に発心の種子を植え、永遠の大成長の道を開こうと、伸一は懸命であった。
彼は、さらに、記念植樹や、地元・伊豆圏の代表らとの懇談会に臨んだあと、伊東にある宗門寺院を訪問した。
と会い、学会を正しく理解し、会員を守ってもらいたいとの思いからであった。
伸一が住職との語らいを終えて伊東平和会館に戻ったのは、午後七時五十分であった。
彼は、休む間もなく、開館記念勤行会の会場に姿を現した。
日蓮大聖人は、「命と申す物は一身第一の珍なり一日なりとも・これを延るならば千万両の金にもすぎたり」(九八六p)と仰せになっている。
一日、一瞬が、かけがえのな
い宝である。ゆえに彼は、限りある人生の時間を、片時たりとも無駄にはしたくなかった。
常に全力を尽くそうと決意していたのだ。

-正義
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