正義40 小説「新・人間革命」27巻
2014.02.18投稿
伊東平和会館の開館記念勤行会で、山本伸一は皆と勤行したあと、懇談的に話をした。
彼は、日蓮大聖人の伊豆流罪、また、初代会長・牧口常三郎が、伊豆の下田で官憲に出頭を求められて、投獄、獄死した大弾圧に思いを馳せながら語り始めた。
「日蓮大聖人は、『如来の在世より猶多怨嫉の難甚しかるべし』(御書五〇一p)と仰せであります。
釈尊は多くの難を受けたが、末法において正法を広宣流布していくならば、
それ以上に、怨み嫉まれ、迫害を受けるとの意味であります。
これまで創価学会は、広宣流布に邁進してきたがゆえに、激しい非難中傷にさらされ、迫害され続けてきました。
学会以外に、どの教団が真実の正法を弘め、迫害を受けてきたか──ほかにないではありませんか。
その事実は、御書に、また、経文に照らして、学会こそが、真実の広宣流布をしてきた証明であると思いますが、皆さん、いかがでしょうか!」
賛同の大拍手が轟いた。さらに伸一は、創価学会の同志の絆について語っていった。
「学会の同志は、久遠の縁によって結ばれた法友であります。
学会では、誰かが病などの悩みをかかえて苦しんでいると聞けば、多くの同志が題目を送ってくれます。
さらに、同志が他界した折にも、皆が真心の唱題をしてくれます。
また、先輩の方々は、「少しでも信心を深めてほしい。幸せになってもらいたい」と、足しげく後輩の激励に通う。
そして、悩みに耳を傾け、わが事のように心を痛め、涙しながら、懸命に励ましを送る。
そこには、なんの利害もない。これほど尊く、美しく、清らかな人間愛の世界はありません。
学会の組織のなかでつくり上げてきた、この無形の宝を社会に開いていくのが、広布第二章です。
不信と猜疑と嫉妬が渦巻く時代だからこそ、わが地域に、この伊豆の地に、
麗しい人間共和の模範を築き上げていっていただきたいのであります!」