正義

正義45 小説「新・人間革命」27巻

投稿日:2014年2月24日 更新日:

静岡指導を終えた山本伸一は、四月二十一日午後、中部指導に向かった。
夕刻、中部入りした伸一は、午後六時前から、愛知、三重、岐阜の代表幹部と懇談会をもった。
参加者からは、この年一月の支部制発足以来、大きな弘教の波が広がり、支部の皆が功徳を受けているとの報告もあれば、青年の目覚ましい成長ぶりを語る人もいた。
伸一は、皆の報告を聞くと、自分の思いを語り始めた。
「学会員の皆さんが、元気はつらつと活動に励み、幸せを噛み締めている報告を聞くことほど、嬉しいことはありません。
しかし、その一方で、信心を反対されて活動に参加できない方や、さまざまな悩みをかかえて、一人で悶々としている方のことを、どうしても考えてしまうんです。
どうか幹部の皆さんは、私に代わって、そうした方々とお会いし、包み込むようにして励ましていただきたい。
手を取り、時には共に泣き、同苦して悲しみを分かち合っていただきたい。
そして、真心を、全生命を注いで、粘り強く、力強く、信心のすばらしさを、仏法の偉大さを教えてあげてください。
そこに、民衆の蘇生があり、学会の使命があるんです。頼みます」
懇談が一段落したあと、皆で一緒に勤行することになった。
その時、二人の婦人が、「先生!」と言って、伸一のところへ来た。
少しためらいがちに、婦人の一人が口を開いた。二十三日に、県の文化合唱祭を開催する三重の婦人部長・平畑康江である。
「あのう、文化合唱祭で、婦人部愛唱歌の『』を、どうして歌っては、いけないのでしょうか。
私たち婦人部員の思いがこもった、みんなが、いちばん好きな学会歌なんです。どうか、歌わせてください!」
いかにも切羽詰まったという表情であり、声も震えていた。

-正義
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