正義

正義58 小説「新・人間革命」27巻

投稿日:2014年3月11日 更新日:

いかに時代は変わろうが、信心ある人には、広宣流布の前進あるところには、必ず魔が競い、難が襲う。
波多光子は、周囲のいかなる仕打ちにも、迫害にも挫けまいとの決意を固めた。
入会した友を、その決意に立たせてこそ、本当の折伏である。
それが、広宣流布の大いなる拡大の原動力になるのだ。
彼女が信心に励めば励むほど、家族は激しく反対するようになり、「おかしな宗教に凝って!」と、学会を目の敵にした。
しかし、波多は負けなかった。
野良作業に出る時、しんぐり籠(竹籠)に外出用の服を入れ、作業が終わると、さっさと着替え、露崎アキと一緒に学会活動に出かけた。
「この信心で、必ずわが家の宿命を転換してみせる! 子どもたちにも信心を教え、幸せにしてみせる!」
彼女は燃えていた。貧困に喘ぎ、汲々として生きてきた自分が、人びとを幸福にするために情熱を燃やしていること自体、不思議な気がするのである。
経済状態は依然として厳しかったが、何かが変わっていった。
いかに周囲が反対しようが、強い確信があり、あふれんばかりの歓喜と希望があるのだ。
「楽して、楽してかなわんわ」
それが、彼女の口癖であった。
子どもたちが育ち、働くようになると、暮らしは楽になっていった。
また、苦労に耐えながらも、明るく、はつらつとした健気な母親の生き方を見て、やがて、子どもたちも、全員、信心に励むようになった。
さらに、家も新築することができたのである。
──その話を聞くと、山本伸一は、娘である本部長のカツ子に言った。
「あなたも、お母さんの信心に反対したんですか」
「はい。後悔しております」
「それなら、お母さんに感謝し、大事に、優しく接していくことですよ。
お母さんは、晩年の今、すべてに勝った。生の晩年に勝利してこそ、人生全体の勝利なんです」

-正義
-, , , , , ,

執筆者:

関連記事

no image

正義30 小説「新・人間革命」27巻

僧たちの仕打ちは冷酷であった。 福井県に住む婦人部員の夫が、信心することになった。夫人の念願が叶っての入会である。 入信の儀式の『御授戒』を受けるために、その夫妻に同行して、壮年・婦人の幹部も寺へ行っ …

no image

正義18 小説「新・人間革命」27巻

宗旨建立七百年慶祝記念大法会が行われた一九五二年(昭和二十七年)、創価学会は、九月八日に独自の宗教法人として発足する。 戸田城聖は、前年五月に、第二代会長に就任して以来、学会として宗教法人を設立しなけ …

no image

正義21 小説「新・人間革命」27巻

宗門には、牧口常三郎の時代から、学会を正しく理解できず、蔑視したり、敵視したりする僧が少なくなかった。 しかし、牧口と戸田城聖の、死身弘法の実践と宗門への赤誠を見続けてきた法主たちは、創価の師弟に賞讃 …

no image

正義66 新・人間革命 27巻

 山本伸一は、関西では、創立者として創価女子学園を訪問したほか、関西牧口記念館、兵庫文化会館などを次々と訪れた。  行く先々で同志と記念のカメラに納まり、懇談会等をもち、入魂の励ましに徹した。  四月 …

no image

正義26 小説「新・人間革命」27巻

一九七七年(昭和五十二年)の三月、学会は、これまでの御観念文に、創価学会の興隆祈念、初代会長・牧口常三郎と二代会長・戸田城聖への報恩祈念の記載を加える発表をした。 かねてから学会本部には、「勤行の際に …