激闘

「信心の実証を示してこそ、個人指導が完結」激闘19 小説「新・人間革命」27巻

投稿日:2014年4月11日 更新日:

山本伸一が、第に就任した一九六〇年(昭和三十五年)五月三日の本部総会の席上、大発展を遂げた文京支部は、三支部に分割された。
この時、金田都留子は、文京支部の常任委員から、新設された新宿支部の婦人となったのである。
当時、金田は東京のに住んでいた。新宿区内に住む地区部長が、自宅の一室を支部事務所として提供してくれた。
彼女は、ここを拠点にして活動に励んだ。そして、夕方には一度、自宅に戻って夕飯の支度をしてから、再度、支部事務所にやって来るのだ。
また、支部員宅を訪ねての個人指導に力を注いだ。タテ線時代のことであり、支部員は目黒、世田谷をはじめ東京各区や、千葉、神奈川など近県に散在し、長野県にもいた。
したがって、支部員宅の訪問も、電車やバスを乗り継がねばならず、日に二、三軒を回るのがやっとであった。
日々の交通費を工面するのも悩みの種であった。生活費は、節約に節約を重ねた。
彼女の家には電話がないため、連絡、報告も一であった。冬の夜、寒さに震えながら、の順番を待つこともあった。
しかし、指導・激励したメンバーが立ち上がり、功徳の体験を積み、「こんなに幸せになりました!」と報告に来る姿に接すると、すべての苦労は吹き飛んだ。
金田は、個人指導ノートを作り、会った人たちの状況や指導した内容などを、克明に記していった。
そして、ひとりが、かかえている悩みを克服できるように、真剣にを送るとともに、定期的に連絡を取った。
彼女は、こう考えていた。
「本人が苦悩を乗り越え、見事な信心のを示してこそ、個人指導が完結する!」
支部員の幸せを祈って生きていくなかで、彼女自身がたくさんの功徳を受けた。板橋区から、練馬区にある電話付きの大きな家に転居し、家族も皆、になっていた。
また、何よりも笑いの絶えないになった。

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