「信心強盛な人こそ、最も“富める人”」激闘26 小説「新・人間革命」27巻

 練馬文化会館の開館記念勤行会で山本伸一は、各部合唱団による合唱などのあと、懇談的に話を進めていった。

 そして、イギリス人の性格を表す一つの事例として、「一人でいる時は退屈してしまう。二人になるとスポーツをする。三人になるとわが偉大な祖国を建設しようと決意し、語り合う」と言われていることを紹介した。

 「この話を、私どもの姿に当てはめてみるならば、次のようになるのではないか。

 『一人の時は勤行しよう。二人集まったならば教学の学習をしよう。三人となったならば広宣流布のために語り合い、実践する』

 どうか、この気概で進んでいただきたい」

 また、「薬王品得意抄」を拝して指導し、特に、「法華経は宝の山なり人は富人なり」(御書一五〇二ページ)の一節は、深く心に刻んでほしいと訴えた。

 「法華経は宝の山であり、御本尊は無限の力を具えております。ゆえに、その御本尊を受持した人は、最大に福運ある人であり、すべからく〝富める人〟なのであります」

 “富める人”とは、単に経済的、物質的に豊かな人を指すのではない。お金やモノによって得られる豊かさは、それがなくなれば、失われてしまう。

 したがって、より重要なのは、どんな状況や環境下におかれても、高く大きな境涯で、充実と歓喜を満喫しながら生きることができる〝心の豊かさ〟である。それこそが、幸福を確立するための根本条件といえよう。

 「信心強盛な人こそ、最も“富める人”です。どうか、この確信をもって進んでください。信心とは、確信なんです。

 大確信をもつには、まず小さな体験でよいから、功徳の体験をたくさん積んでいくことです。その体験が集積され、次第に大確信をもてるようになる。それには、日々の祈りは具体的であることが大事です。自分のかかえている一つ一つの悩みや問題の克服を、日々、懸命に祈っていくんです。悩みが解決した分だけ、確信は強まっていきます」