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南米の名門・ベネズエラ中央大学が池田先生に「名誉博士号」 2019年6月12日 ストルック学部長が来日し創価大学で授与式

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南米の名門・ベネズエラ中央大学が池田先生に「名誉博士号」 2019年6月12日

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ストルック学部長が来日し創価大学で授与式

 南米屈指の学府である国立のベネズエラ中央大学から、創価大学の池田大作先生に「名誉博士号」が贈られた。世界平和と人類の幸福のために尽くした功績をたたえるものである。授与式は11日、東京・八王子市の創大本部棟で行われ、セシリア・ガルシア=アロチャ・マルケス総長の名代として来日した、社会学部のアデライダ・ストルック学部長らが出席。創大の馬場学長に「名誉博士」の学位記を手渡した。(2・3面に関連記事)

 前日まで降り続いた雨もやみ、優しい光に包まれた創価大学のキャンパス。
 「ビエンベニードス(ようこそ)!」――本部棟に到着したベネズエラ中央大学の一行を、創大・短大の学生や留学生の代表らが迎える。
 経済社会学部のアデライダ・ストルック学部長は、これが初めての来日。満面の笑みを浮かべながら、「温かな歓迎にします。皆さんと共に、この日を迎えることができ、本当にうれしく思います」と語った。
 同大学の創立は1721年。明後年に創立300周年を迎える、ベネズエラ最古の高等教育機関である。
 首都カラカスにキャンパスを置く「王立カラカス大学」として産声を上げ、同国の独立(1811年)運動の先頭に立つを多く輩出した。そしてその後も、文学界や教育界、医学界、政界など、社会の各分野に有為な人材を送り続けてきた。
 現在、キャンパス一帯が大学都市としてユネスコの世界遺産に登録されているカラカスをはじめ、四つのキャンパスがあり、農学部、建築都市工学部、医学部、人文教育学部などの11学部に、4万人を超える学生が在籍する。
 近年の大学ランキングでは、ベネズエラで1位、中南米諸国の中でも上位に輝いた最高峰の学府である。
 “研究と教育を通じた知識の創出と普及”“国の発展と進歩に必要な専門家や技術者の養成”を使命に掲げ、歴史を刻む同大学。
 その発展の道しるべとなったのが、「闇を打ち破る学府」とうたうモットーである。
 「これはわが大学のモットーであるだけでなく、大学で学び、巣立った全ての人たちの“人生のモットー”でもあります」
 ストルック学部長はそう力を込める。自らも、ベネズエラ中央大学の同窓である。
 17歳の時に父を亡くし、母の支えで同大学に進学。苦学の学生時代を送った。その後も同大学の大学院博士課程で学び、博士研究員(ポストドクター)としても働いた。

父の死や経済苦など、困難の“闇”を打ち破り、人生を切り開いた時代。その経験を胸に今、どんなに厳しい現実が立ちはだかろうと、それを乗り越える力は一人一人にあるのだと、学生や教員に訴えている。
 そうした人生観がより深みを増していったのは、池田先生の思想に触れてからである。ベネズエラSGI(創価学会インタナショナル)のメンバーとの親交がきっかけだった。
 同国SGIの友は、1995年にベネズエラ中央大学で、池田先生の思想と平和への行動を紹介する展示を開催。その後も、先生の写真展や環境展示、平和講演会や青年のためのワークショップを行うなど、キャンパスを舞台に人間主義の哲学を発信してきた。
 ストルック学部長は婦人部のメンバーとの友情を通して、そうしたSGIの活動を詳しく知り、感銘を深めていった。そして、貢献的人生を送るメンバーの笑顔の陰に、人生の闇をも明るく照らす光のような、池田先生のたゆみない励ましがあることを学んだ。
 「“一人の内面の変革が、世界を変える”との池田博士の哲学に、私は強く共感します。博士について学べば学ぶほど、私自身の人生が良い方向に動きだすのを実感しました。そして博士の思想こそ、ベネズエラ社会にとって大切であると思ったのです」
 学部長と共に来日した経済社会学部のエノエー・テクシエ教授は、宗教間を促進する「宗教連合イニシアチブ」で、中南米・カリブ海地域のコーディネーターも務める。学部長とは長年の友人。同じくSGIメンバーとの交流の中で、池田先生の思想や功績を知った。
 テクシエ教授が、池田先生に名誉博士号を贈ることを提案。ストルック学部長の推薦により、セシリア・ガルシア=アロチャ・マルケス総長をはじめ大学評議会の全会一致の決議で、今回の授与に至ったのである。
 ◇ 
 ベネズエラ中央大学の、と格式のもとに行われた名誉博士号の授与式。式典では、ストルック学部長が決議書を読み上げ、テクシエ教授があいさつ。
 名誉博士の学位記と記念のメダルなどが代理の馬場創大学長に手渡されると、万雷の拍手が会場を包んだ。
 田代創大理事長が、池田先生の謝辞(3面に別掲)を代読。
 ストルック学部長は授与の辞で、池田先生を「人類の幸福と平和のための不屈の闘士」とたたえつつ、教育、そして対話こそが、現代社会の危機を解決する鍵であると訴えた。
 ベネズエラ国歌の演奏とともに、晴れの授与式は幕を閉じた。人間教育の光で、未来を照らす誓いを分かち合う式典であった。
 一行はこの日、東京富士美術館を。また授与式に先立つ10日には、民音文化センターを訪れたほか、東京・信濃町の創価世界女性会館で、笠貫SGI女性部長、永石婦人部長らと懇談した。

テクシエ教授のあいさつ(要旨)

 池田大作博士の教育思想は、小学校の校長であり、創価学会の初代会長であった牧口常三郎先生の教育論に基づくものです。牧口先生は、第2次世界大戦のさなかに弾圧を受けました。
 しかし、池田博士が国内外において創価教育の機関を設立したことで、牧口先生の教育思想は忘れ去られることなく引き継がれています。創価教育の学びやでは、学生中心の教育方針のもと、価値創造につながる力を開花させ、学生の総合的なと真の幸福の追求が行われています。
 若い頃に戦争の恐ろしさを知り、対話の重要性を実感された池田博士は、平和、軍縮そして対話の促進に、たゆまぬ努力を重ねてこられました。
 池田博士の思想と行動によって、ベネズエラの地には、多くの実りがもたらされてきました。ベネズエラSGIは、わが国で多彩な活動を行い、素晴らしい花を咲かせています。
 特に青年部の活動には目を見張るものがあります。2004年から各地で開かれている「平和建設者」講座では、池田博士の人間主義思想に基づいた普遍的な価値が紹介されており、10年から本学の経済社会学部のプログラムの一つとなっています。
 同講座には、本学の学生・教員を合わせて延べ2500人が参加しました。また同講座は、これまで多数の団体や機関で開催され、今日までに2万人以上が参加しています。
 平和の文化の建設を目指す者として、池田博士の偉業に心より感謝申し上げます。暴力が増加する現代において、池田博士の思想は意義を増すばかりです。
 私どもは池田博士の思想のもと、道徳心に立ち返り、使命感を奮い立たせ、対話と人類の平和・共存に尽くす人材の育成に励んでまいります(大拍手)。

ストルック学部長の授与の辞(要旨)

●「内発的な力」の開花を今こそ

 間もなく創立300年を迎える本学は、1721年に設立された自治権を有する公立の大学であり、ベネズエラ最古の高等教育機関であります。
 メインキャンパスがあるカラカスの大学都市(ベネズエラ中央大学を中心とした学園都市)は、ベネズエラの首都に位置し、2000年にユネスコの世界遺産に登録されています。
 11学部40学科で構成される本学は、教育の自由を重んじ、教員一人一人が自然科学、社会科学、人文科学などの専門分野で研究を行い、教壇に立っています。
 本学の名誉博士号授与規定には、次のように明記されています。「研究・教育・芸術・文学の振興、または学術・科学技術・芸術・文化・社会の分野で多大な影響を及ぼしている、国内外の極めて卓越した人物に対して授与される最高位の顕彰である」と。
 これまで本学の名誉博士号は、学術・文化界の傑出した人物、世界的指導者に授与されてきました。
 本日、私たちは仏教哲学者、教育者、作家、詩人であり、人類の幸福と平和のための不屈の闘士として高名な池田大作博士を顕彰するために、創価大学を訪問させていただきました。
 これは、価値創造の文化、平和のための対話、人間の成長を促進し、より良い世界の構築に貢献する池田博士の功績をたたえるための顕彰です。
 池田博士は執筆活動と平和への行動によって、世界から称賛されている偉大な人物です。私たち一人一人が、人類が、行動の模範とすべき指導者です。
 平和とは人々が幸福で、自由で、平穏な生活を送っている状態であり、それは人々の内面と外面において、また、社会や自然との関わりの中で構築されるものです。平和な社会の建設に貢献することは私たちの権利であり、一人一人が、その権利への責任感を深めていくことが肝要です。
 では、どうすれば、そうした方向に人々を、社会を向かわせることができるのでしょうか。
 それは、教育によって可能となるのです。家庭で学ぶ価値観や倫理、さらに学校や大学での教育、また集団生活での経験を通して、人間は育まれます。
 池田博士が指摘するように、教育、そして教育者の養成が非常に重要です。
 新たな世代に影響を与える教育者の責任は大きい。ゆえに停滞なく、多彩な教育者を育成することが望まれています。
 また、教育者には、知識を深めるとともに、人間として成長し続けることが求められます。
 現代社会は、宗教・社会・政治などの分野で、さまざまな危機に直面しています。一体化が進む世界において、人々は瞬時にコミュニケーションを取ることが可能になりましたが、かえってそのことが危機の原因も、解決方法も複雑にしています。
 だからこそ、「対話」と「合意形成」が重要な役割を果たすのです。対話と合意形成のためには、言葉や理性、感情といった、人間に内在する能力を発揮しなければなりません。皆が理解しやすい、中身のある言葉を発するためには、感情と理性の均衡を保つことが重要となります。
 社会全体が「人間」を見失い、「人間の幸福」という根本の目的を忘れてしまえば、人類が直面する課題の解決は困難となるでしょう。人間は、学ぶことによって人間となるのであり、新しい教育の形をつくらなければなりません。
 文化もアイデンティティーも多様な世界にあって、万人が平和思想の価値観を共有し、理解しながら共存するためには、人生観の変革を伴う持続的な人間への(内発的な力の開花)が必要です。これこそ私たちが、今、取り組まなければならない大きな課題なのです。
 創価学会の皆さま、そして池田博士と共に、より良い世界の建設に貢献できるよう、私自身、たゆまぬ研さんに努めていく所存です。大変にありがとうございました(大拍手)。

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