創価学会座談会参考資料

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激闘

「病によりて道心はをこり候なり」激闘8小説「新・人間革命」27巻

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苦闘は、精神を鍛え、人間力を培う父である。苦闘は、歓喜を生み出す母である。

 山本伸一は、記者たちに語った。

 「私は、青年たちに、苦闘を厭わぬ信念と哲学をもってほしいんです。苦労するのは辛いことです。しかし、自分の置かれた現実と、そこに横たわる困難を避けずに直視し、真正面からぶつかっていくことが大事なんです。労苦のなかった偉人も、英雄もいません。

 苦悩は、鉄の精神をつくりあげる溶鉱炉です。人生の一つ一つの苦しみが、自身の向上の力となり、創造の源となっていきます」

 たとえば、病苦も、人間完成への力としていくことができる。御聖訓には「病によりて道心はをこり候なり」(御書一四八〇ページ)と仰せである。病と向き合い、苦悩することから、それを克服しようとの強き信心が、熱き求道の一念が起こり、自己の成長が図れるのだ。

 仏法では、「生死即涅槃」と説く。苦しみ、迷いが、そのまま悟りとなるという法理である。つまり、苦悩があってこそ、悟りがある。大苦あってこそ、大悟があるのだ。

 日蓮大聖人は師子吼された。

 「一切衆生の異の苦を受くるは悉く是れ日蓮一人の苦なるべし」(同七五八ページ)

 ここには、全人類のさまざまな苦悩をわが苦とされ、万人に成仏の道を開かれた御本仏の、大慈大悲の御境涯が述べられている。

 その大聖人の御心を、わが心として立つのが、われら末弟の生き方である。

 自分のことだけを悩み、汲々としているのではなく、周囲の人たちと、あらゆる人びとと同苦し、苦悩を分かち合い、崩れざる幸福の道を示すために、広宣流布に生き抜くのだ。

 あの友の悩みに耳を傾け、懸命に励ましの言葉をかける。この人に、なんとしても幸せになってほしいと、必死に仏法を語り、題目を送る――われらの健気なる日々の実践こそが、大聖人に連なる直道であるのだ。

 その時、自身の偏狭なエゴイズムの殻は破られ、地涌の菩薩の、御本仏の大生命が胸中に脈動し、境涯革命の歯車が回転するのだ。

[2014年 3月29日] 

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